もの忘れ外来

もの忘れ外来とは

もの忘れのイメージ

年をとるようになると程度の差こそありますが、どんな方でももの忘れは起きるようになります。
これを良性健忘(健忘症)と言いますが、この場合は自然な老化現象のひとつなので治療の必要はありません。
ただし、良性健忘と非常によく似た症状に認知症があります。とくに初期の段階でこれらの区別はつきにくいので、最近もの忘れがひどくて認知症を気にしているという方、認知症の疑いがある方と同居されているご家族の方など、心当たりがあるという場合は、当外来にてご相談ください。


当院では診断・治療だけでなく、病気としての考え方、対応の仕方についての助言・提案を行います。
診断においては、ご自宅での様子や側にいる方の気づきがとても重要であり、あらかじめ症状に関する質問票への記載をお願いしています。
また、初診では30分ほど時間が必要ですので、あらかじめ電話でのご予約をお願いいたします。

当院では認知症が疑われる方につきましては、問診を行い、必要であれば認知機能検査(長谷川式スケール)をします。その結果、さらに詳細な検査が必要であれば血液検査、CTやMRIなどの画像検査を行うなどして診断をつけます。その結果、認知症と診断されたら直ちに治療が必要となりますが、現時点では治癒するのは困難なのですが、軽度な状態での早期発見なら、薬物療法などで症状の進行を遅らせることは可能です。速やかにご受診ください。

もの忘れ外来の流れ

1. ご予約

まずはお電話にてご予約下さい。

2. 問診

ご記入頂いた問診票を参考に、ご自宅での様子なども具体的にお伺いします。

3. 診察

血圧測定など一般的な診察も行います。

4. 認知機能テスト

認知機能テストである長谷川式スケールテストを行います。

5. 血液検査

身体の状態を確認させて頂くため、必要に応じて血液検査や甲状腺ホルモン検査などを行います。

6. 頭部MRI

連携医療機関での頭部MRI検査予約をお取りします。

7. 治療・指導

検査結果を合わせて診断し、治療や対応の工夫についてのアドバイスを行います。
また、医療ソーシャルワーカーへの経済的・社会的相談についてもサポート致します。
介護保険の申請を希望される方は事前に主治医意見書予診票へご記入下さい。

もの忘れと認知症の違い

もの忘れのイメージ

先にも述べましたが、もの忘れと認知症は症状がよく似ています。

ただ、明らかに異なる点もあります。例えば、もの忘れでは体験したことの一部を忘れる、あるいは本人がもの忘れをしているという自覚があるほか、日常生活に支障が見られることはありません。

一方の認知症は、体験したこと全てを忘れてしまうほか、自らがもの忘れをしているという自覚がありません。ちなみに認知症と診断される条件ですが、まず記憶障害がみられ、認知機能(判断能力や遂行機能など)にも障害があること、さらに日常生活に支障をきたしている場合です。

このような症状がみられたら、ご相談ください(例)

  • 物の名前が思い出せなくなった
  • しまい忘れや置き忘れが多くなった
  • 何をする意欲も無くなってきた
  • 物事を判断したり理解したりする力が衰えてきた
  • 財布やクレジットカードなど、大切な物をよく失くすようになった
  • 時間や場所の感覚が不確かになってきた
  • 何度も同じことを言ったり、聞いたりする
  • 慣れている場所なのに、道に迷った
  • 薬の管理ができなくなった
  • 以前好きだったことや、趣味に対する興味が薄れた
  • 鍋を焦がしたり、水道を閉め忘れたりが目立つようになった
  • 料理のレパートリーが極端に減り、同じ料理ばかり作るようになった
  • 人柄が変わったように感じられる
  • 財布を盗まれたと言って騒ぐことがある
  • 映画やドラマの内容を理解できなくなった など

認知症について

認知症とは正常に働いていた脳の機能が、神経変性疾患(アルツハイマー型認知症、レピー小体型認知症、前頭側頭型認知症 など)、脳血管障害、頭部外傷、感染症などが引き金となって認知機能が低下、やがて記憶や思考といった面にも影響が起きている状態を言います。
認知症を発症すると、物事を記憶する、判断する能力、時間や場所・人などを認識する能力といったものが低下していくので、日常生活に支障をきたすようになるのです。

また認知症の特徴として、年をとるほど発症しやすいというのもあります。ある報告によれば、その有病率は65~70歳未満の方では1.5%なのですが、85歳以上の方となると27%になります。つまり85歳以上の方では、4人に1人以上の割合で認知症の患者様がいるということになります。ただ、若い世代の方でも脳血管障害や若年性アルツハイマー病を発症することで、認知症と診断されることもあります。ちなみに65歳未満で認知症を発症した患者様につきましては、若年性認知症と診断されます。

認知症の主なタイプ

様々な原因疾患が引き金となって発症する認知症ですが、その中でも主に4つの疾患が原因で発症するケースが多いと言われています。それは変性性認知症(アルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症)の3つと血管性認知症です。
なお全認知症患者様のうち60~70%がアルツハイマー型認知症の方で、さらに20%弱の方が脳血管型認知症の方と言われ、4つの疾患全てを合わせると認知症の9割近くの方がこの4大疾患で占められています。4疾患が原因による認知症の特徴は以下の通りです。

アルツハイマー型認知症
特殊なたんぱく質(アミロイドβ(ベータ)など)が脳に蓄積していくことで神経細胞が破壊されて減少、そのことで脳の神経が情報をうまく伝えられずに機能異常を起こすと考えられています。脳は臓器でもあるので、神経細胞が消失すると脳自体(海馬)が萎縮していき、主に頭頂葉や側頭葉が障害されます。また脳からの指令を受けている身体機能も徐々に失われるようになります。よくみられる症状は記憶障害、見当識障害、思考障害(物盗られ妄想)などです。このほか男性よりも女性の割合(男女比は1:2)が高いです。
レビー小体型認知症
レビー小体(神経細胞にできる特殊なたんぱく質)が脳の大脳皮質(物事を考える場所)や、脳幹(生命活動を司る場所)に多く発生する疾患で、後頭葉が障害されます。レビー小体が多く集まっている箇所では、情報をうまく伝えられなくなっていき、やがて認知症が起こるようになります。主な症状は認知機能障害、幻想、パーキソニズム、睡眠中に起きるレム睡眠行動障害などです。治療については、対症療法が中心です。
前頭側頭型認知症
頭の前部にある前頭葉と、横部にある側頭葉が萎縮することによって起こるタイプの認知症です。脱抑制、人格変化、帯同行動といった症状が現れます。同疾患にはピック病も含まれます。発症年齢は40~60歳代で、若い方にも見受けられます。治療は対症療法になります。
脳血管型認知症
脳血管障害(脳梗塞、脳内出血など)が基礎疾患となって起こる認知症です。脳血管が詰まる、あるいは破れて出血するなどして、脳細胞に酸素が十分行き届かないことで神経細胞が死にそのことで発症するタイプです。障害部位のみに機能低下が見られることから、まだら認知症をはじめ、運動・感覚障害、情動失禁などが現れます。

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